養寿寺(西尾市)概要: 亀休山松樹院養寿寺の創建は大同元年(806)、勤操阿闍梨が巡錫の折この地を訪れた際、霊亀の上に弁財天が座っているのを見て、霊地と悟り堂宇を建立したのが始まりとされます。当初は天台宗の寺院でしたが寛正2年(1461)、彰空宗永が再興し浄土宗に改宗しています。中世は領主である吉良家から庇護され文明年間(1469〜1486年)には吉良家に嫁いだ矢田姫が葬られています。矢田姫は徳川家康の大叔母にあたる人物で慶長7年(1602)には徳川家康より寺領36石が寄進されています。江戸時代は西尾藩から庇護され、寛文5年(1665)には藩主土井利長が本堂を造営し、天和3年(1683)には土井利意が鐘楼門を造営しています。本堂は嘉永4年(1851)に再建されたもので、入母屋、桟瓦葺、平入、桁行10間、正面3間向拝付。鐘楼門は天和3年(1683)に土井利意が造営した当時のもので、入母屋、本瓦葺、三間一戸、2重楼門、江戸時代初期の鐘楼門建築の遺構として貴重な事から西尾市指定文化財に指定されています。山門は元禄12年(1699)に造営されたもので、切妻、桟瓦葺、一間一戸、四脚門。地蔵堂は江戸時代中期に建てられたもので、入母屋、桟瓦葺、平入、桁行2間、梁間1間半、外壁は素木板張、花頭窓付。宗派:浄土宗西山深草派。本尊:阿弥陀如来。
養寿寺の文化財
・ 雲板−応永2年−鋳銅製、高さ46.2cm、幅43.3cm−愛知県指定文化財
・ 絹本著色観音菩薩像−高麗時代−縦101.6cm、横56.1cm−愛知県指定文化財
・ 絹本著色地蔵菩薩像−高麗時代−縦143.8cm、横78.4cm−愛知県指定文化財
・ 絹本著色蓮鷲図−室間時代−縦30.2cm、横40.8cm−西尾市指定文化財
・ 絹本著色天満宮御影−桃山時代−縦53.3cm、横35.5cm−西尾市指定文化財
・ 絹本著色寒山拾得図−桃山時代−縦91.1cm、横38.5cm−西尾市指定文化財
・ 絹本著色弥陀三尊像−室町前期〜中期−縦92.3cm、横41.8cm−西尾市指定文化財
・ 絹本著色釈迦一尊像−南北〜室町時代−縦94.9cm、横40.6cm−西尾市指定文化財
・ 絹本著色薬師如来像(薬師三尊十二神将図) −室町後期〜末期−西尾市指定文化財
・ 養寿寺鐘楼門−天和3年−入母屋、本瓦葺−西尾市指定文化財
・ 太子伝−文明15年−10冊、縦28.6cm、横20.3cm−西尾市指定文化財
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