尾張大国霊神社(稲沢市)概要: 尾張大国霊神社の創建は不詳ですが伝承によると崇神天皇7年(紀元前91年)に尾張大国霊神を勧請したのが始まりと伝えられています。又、本殿脇には自然石を7個並べた「磐境」と思われる石組みがあり、太古以前の祭祀場が起源になっているとも云われています。
尾張国が成立し国府が設けられると、尾張国の総社となり国府宮と称されるようになり宝亀2年(771)に社殿が造営されています。延長5年(927)に編纂された延喜式神名帳には式内社として記載され宗形神社、大御霊神社と共に国府宮三社と呼ばれるようになり尾張五社(熱田神宮、千代保稲荷神社、津島神社、針綱神社、尾張大国霊神社)にも数えられました。
古くから神仏習合し、尾張国分寺とは関係が深く境内には国分寺の坊の後裔にあたる威徳院と大日坊が建立されていました。歴代領主や為政者からも崇敬庇護され永禄7年(1564)には織田信長が社殿を造営し、文禄4年(1595)には豊臣秀吉が社領105石を寄進、元和7年(1621)には初代尾張藩主徳川義直が社領150石を寄進し、歴代尾張徳川家が社領を安堵しています。
明治時代初頭に発令された神仏分離令により仏式が廃され、明治6年(1873)に郷社、明治9年(1876)に県社、昭和15年(1940)に国幣小社に列しました。
楼門(神社山門)は室町時代前期に建立されたもので(楼閣部の大部分の部材は正保3年:1646年の大修復の時のものとされます。)、入母屋、檜皮葺、三間一戸、八脚楼門。拝殿は江戸時代初期に建立されたもので切妻、檜皮葺、妻入、桁行5間(7.97m)、梁間3間(10.35m)。楼門、拝殿共に昭和30年(1955)に国指定重要文化財に指定されています。祭神:尾張大国霊神。配祀:伊弉册命、天照大御神、素盞烏尊、奇稻田姫命、活玉依姫、手摩乳、脚摩乳。
尾張大国霊神社の文化財
・ 楼門−室町初期−入母屋、檜皮葺、三間一戸、八脚楼門−国指定重要文化財
・ 拝殿−江戸初期−切妻、檜皮葺、桁行5間、梁間3間−国指定重要文化財
・ 国府宮の儺追祭(通称:はだか祭)−悪疫退散の神事−愛知県指定無形民俗文化財
・ 半床庵(茶室)−元禄年間−切妻、桟瓦葺、1×1間−稲沢市指定文化財
・ 木造獅子頭−南北朝−高14.2、奥行17.2、張16.5cm−稲沢市指定文化財
・ 陶製狛犬−室町時代(足利田氏奉納)−和犬型狛犬の典型−稲沢市指定文化財
・ 鉄造大鳴鈴−室町時代−総高8.2cm、最大径8.9cm−稲沢市指定文化財
八脚門を簡単に説明した動画
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